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ドル高・株高(支える仕組みは?)

2013年4月9日

「相場が下がっている最中に安易な買いは禁物。もっと相場をよくみなさい!」
-為替ディーラー時代の筆者が元上司に頂いた教育的指導のお言葉-

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4月5日公表の3月の米国雇用統計は、財政強制削減の影響を受けて非農業部門雇用者数が財政強制削減の影響を受けて前月比わずか8.8万人増と、市場予想(同19万人増)を大きく下回るネガティブな結果でした。
発表直後にドル/円は一時95.75円まで急落したが、なぜか不可解な大量のドル買いが入り、結局97円半ばで週末入りしました。なぜ不可解なのでしょう?

ネガティブな出来事の最中にドル買いする際は、一旦ドルを売り浴びせ大勢の市場参加者に損切りさせ市場のドル売り圧力をなくしたうえで、大量のドル買いを行なうのが鉄則だからです。
にもかかわらず、直後に安易にドル買いに踏み切るとは、純粋に投資収益を稼ぐことを目的としたプロの手口ではない。今回のドル買い筋は、まるで政策的な目的でドルを必死に買い支えることが目的と見受けられます。

間もなく公表されるS&P500の構成企業の2013年1-3月期の純利益が前年比わずか1.5%増の予想(2013年3月のトムソン・ロイター調査に基づく)にもかかわらず、3月から最高値更新を続けている米国の株価指数にも同様の現象が観察されます。

躍起になって支えられている市場は、支えきれなくなったとたんにバブル崩壊します。
海外投資では、世界の市場がどのような仕組みで動いているのかを推察することが、相場をよくみて投資の判断ならびに意思決定を行なううえで大切です。今回は、その参考となる書籍を紹介しましょう。


副島隆彦 著「浮かれバブル景気から衰退させられる日本」(徳間書店)

上記書籍によると、わが国の公的資金50兆円が海外ヘッジファンドへ貸し出され、そのお金が米国の国債とドル、日米の株式を買い支える構造とのことです。

もちろん、その説の真偽は定かではありません。とは言え、「外国人が日本株を積極的に買っている」とされながらも、実は一連の資金が日本発であれば、米国の債券・ドル・株式の購入に伴いドル高となるため、現在のドル高かつ株高の理由は合理的に説明できています。
もしもその内容が真実であれば、債務問題で悪戦苦闘中の米国のドル高も企業業績が伸び悩むなかでの株高も、実体経済の実力をまったく反映していません。書名のとおり今は「浮かれバブル景気」かもしれませんね。

上記書籍への世の中の反応はもちろん賛否両論さまざまですが、市場の仕組みの核心に迫るための「考えるヒント」あるいは「議論の叩き台」としてはふさわしい教材です。

株式会社アナリスト工房