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米国発ロックダウン解除 経済再開へ

マイナス価格の原油市場の警告が、デモ隊と共和党州知事を動かした

2020年4月30日(木)アナリスト工房

世界各国の新型コロナウィルス感染症(COVIDー19)による犠牲状況を眺めるとき知っておきたいのは、結核を防ぐためのBCG予防接種が普及しているかどうかに応じて、それぞれの国の人口に占める今回の疫病による死者数が著しく異なる実態だ。
まず、新型コロナによる死者数ランキング上位5カ国(米、伊、スペイン、仏、英)では、実はBCGがほとんど普及していない。これらの米欧勢は、新型コロナに命を奪われた者が人口百万人あたり約200〜500人。

<BCGが普及していない米欧の新型コロナによる犠牲状況>
人口百万人あたりの死者数(4月30日時点:*)
  ・アメリカ:188.1人(=死者61572人/人口327.35百万)
  ・イタリア:457.7人(=死者27682人/人口60.48百万)
  ・スペイン:522.6人(=死者24275人/人口46.45百万)
  ・フランス:372.6人(=死者24121人/人口64.73百万)
  ・イギリス:392.8人(=死者26097人/人口66.44百万)

新型コロナ死者数首位のアメリカは、人口に対する死者の割合でみると、実は上記5カ国のなかで疫病被害が最も少ない。
産業疲弊を防ぐために経済再開を急ぐトランプ大統領のアメリカは、早くも4月20日にサウスカロライナ州がロックダウン(都市封鎖)を緩和し、経済再開の第1歩に踏み切った。同州のマクマスター知事は、一部の小売店(家具、衣服、靴、書籍、花、百貨店など)の営業再開を即日認めた。

しかし同日、需要低迷中の米国産原油の貯蔵スペースが限界に近づいており、原油の現物を引き取ることによる莫大な貯蔵コスト負担を避けたい商品ETFファンドが、WTI原油先物を一時なんとマイナス価格の水準(期近5月物は一時マイナス40.32ドル/バレル)まで投げ売りを貫徹。
異常に貯まり過ぎた原油をサッサと消費するためにも「経済再開を急いで加速させよ!」との市場からの圧力が強まるなか、24日にはジョージア州もロックダウンを緩め、ヘアサロン、フィットネスクラブなどの店舗営業を再開させた。

ロックダウンの悪影響を受けて仕事ができないアメリカ人の半数が4月末までに貯蓄が尽きる懸念のなか、週末の全米各地では「われわれに仕事をさせろ!」と強く要求する大規模なデモが活発だ。仕事中に疫病に侵され亡くなった場合には名誉の殉職に対し、ロックダウン時の経済困窮による死亡は無念の犬死にすぎない。

アメリカのデモ隊のなかには、AKー47自動小銃を携えたミリシア(民間武装組織)の完全武装姿も目立つ。各州の法と秩序を維持するためにも、大半の州が5月半ばまでに経済を再開し始める可能性が高い。

「多くの州が安全かつ速やかに経済活動の再開を推進中。テキサス州は事業所やお店を金曜(5月1日)から段階的に営業再開させる。アボット州知事は見事な働きをしてくれた」
トランプ米大統領(Arp 28th 2020)Twitter

なお、経済活動の再開を早期から推進してきたのが与党共和党知事の州(サウスカロライナ、ジョージア、テキサスなど)に対し、民主党知事の州は経済再開に比較的慎重な姿勢が散見される。
深刻な貿易赤字を減らしたいトランプ政権が産業競争力を回復させるために経済再開を急ぐ一方、対米黒字国からの投資マネーで潤い続けたい反トランプ抵抗勢力(とくに一部の金融筋とその息のかかった政治家たち)は産業軽視なのでロックダウンに対し平気な態度だ。

フェイクニュース(Foxを除く主要メディアの大半)は、人口百万人あたりの死者が数百人にすぎない新型コロナの危険を過度に強調しながら、経済疲弊を伴うロックダウンを推進する論調のニュース記事を垂れ流してきた。
が、彼らがでっち上げようとしたトランプ大統領のロシア疑惑とウクライナ疑惑がすでに晴れたなか、信用されなくなったフェイクニュースは世論を形成する力を失っている。だからこそ、いま各地で反ロックダウン・デモが活発だ。

5月25日のメモリアルデー(戦没将兵追悼記念日)にミリシアたちとの一触即発事態を避けるためにも、早く仕事に復帰をしたいデモ隊の要求どおり、アメリカ経済はまもなく再開が加速していくだろう。

▼疫病被害が少ない日本は、不経済な外出自粛も怪しいエボラ薬も不要

次に、BCGが普及している東アジアの主要3カ国(日、中、韓)は、人口百万人あたりの新型コロナウィルス感染症による死者がわずか3〜5人にすぎず、BCGが普及していない上記5カ国(米、伊、スペイン、仏、英はいずれも数百人)よりも2ケタ少なく済んでいる。BCG接種により人々が身に付けた免疫力は、流行中の疫病に対しても大きな効果を発揮しているようだ。

<BCGが普及している日中韓の新型コロナによる犠牲状況>
人口百万人あたりの死者数(4月30日時点:*)
  ・日本:3.6人(=死者452人/人口126.50百万)
  ・中国:3.3人(=死者4643人/人口1395.38百万)
  ・韓国:4.8人(=死者247人/人口51.64百万)

なお、旧東独でBCGが普及していたドイツは、新型コロナ犠牲状況が人口百万人あたり79.3人(=死者6575人/人口82.90百万:*)と、BCGの普及国(日中韓)よりも1ケタ多く、非普及国(上記米欧5カ国)よりも1ケタ少ない。
ドイツがロックダウンを緩め経済活動を再開し始めたのは4月20日(小規模商店の営業再開)。27日には自動車最大手VWの本社工場が再稼働した。5月4日からは、学校が段階的に再開予定。

話を東アジアの主要国に戻そう。なかでも新型コロナが最も深刻化した中国は、発症2週め以降免疫力が上向いた者に的をしぼった治療と、武漢の火葬場の求人条件「幽霊をみても恐れないこと」から伺い知れる”動く遺体”の早期焼却が奏功し、病院パンクを防いだ。結果、武漢のロックダウンは4月8日に解除。直後、多くの自動車工場に労働者の大半が復帰し、生産が再開・加速し始めた。

一方、人口に対する死者の割合でみた疫病被害が中韓と同様に少ない日本は、政府と地公体が国民と事業者に対し「外出自粛」を強く要請する形で、実質的なロックダウン状態を未だ続けている。このままでは、急速に活気を失った日本経済のGW明け後の転落が心配だ。

そもそも、2月初旬に一時避難のために来日した中国人たちとの接触や満員電車での通勤・通学などにより、すでに半数近い日本人が新型コロナウィルスに対する免疫力を身に付けたと推察される。国民の大半に免疫力を付けさせることによる疫病克服策「集団免疫」が、実は進ちょく順調だった。
また日本には、富士フイルム富山化学の新型コロナ特効薬「アビガン」の政府備蓄がある。中国で高い治療効果が認められたアビガンは、海外から注文が殺到し、日本政府がすでに50カ国への無償提供を決めた。本来なら心強い特効薬の備えのもと、日本の集団免疫はさらに加速できるはずだ。

しかし、日本国内ではアビガンの治験(観察研究)が不自然に長引いているため、未だ必要な患者になかなか行き渡らないのが実態。日本版ロックダウン(外出自粛)の悪影響を受けて、集団免疫の機会が損なわれてしまった。いったいなぜ日本は、集団免疫を中断しロックダウンを始めたのか?

その解答へのヒントは、「米ギリアド社の怪しいエボラ薬(レムデシビル)が、近くアメリカに続き日本で新型コロナ薬として承認される」との見通しが強まった不可解な現象のなかにある。

腎機能へのダメージが大きい副作用をもつレムデシビルは、中国の治験では投薬された患者157人のうち18人が副作用のため早期に投与中止。治験開始から1カ月後、レムデジビルを投与された患者の死亡率13.9%は、投与されず標準的治療を受けた患者の死亡率12.8%よりも悪い。症状は改善せず、血中のウィルス減少さえ観察されず、最悪の治験結果がみてとれる。

その要約が4月23日、WHO(世界保険機関)のサイトに「誤って(?)」公開され、ギリアド社の株価は前日比8.5%安の水準まで急落。このとき市場参加者たちは、「とくに副作用が致命的なレムデシビルは、まるで生物化学兵器のようだ」との評価を下した。

深刻な財政赤字を減らしたいトランプ政権が米軍の海外撤退を急ぐ一方、反トランプ抵抗勢力(とくに軍産複合体とその息のかかった国内外の政治家たち)は海外利権を貪り続けたい。毒ガスなど生物化学兵器を手がける製薬業界は、軍需産業と同様に反トランプ抵抗勢力のなかの軍産複合体に含まれる。
米軍の海外展開が疫病流行によりままならず撤退が進むなか、トランプと反トランプとの対決に巻き込まれた日本は、生物化学兵器「レムデシビル」を購入のうえ、その矛先を自国民に向けるよう迫られているようだ。

幸いアメリカでは、原油が一時マイナス価格と化した「市場の警告」とトランプ派の「われわれに仕事をさせろ!」との大規模デモが州知事たちを動かし、経済再開を勝ち取るとともに反トランプ抵抗勢力の企み「国民支配」を駆逐し始めた。早急に経済を再開させることが、日本にとっても「この支配からの卒業」だ!

アナリスト工房 2020年4月30日(木)記事

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*)各国の百万人あたりの新型コロナウィルの死者数を計算するとき用いた人口は、IMF(国際通貨基金)の『World Economic Outlook Database October 2019』に基づく。