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日本株の展望(2013/3期は?)

GW直前から日本企業の前期(2012/3期)の本決算発表が本格化する。前期決算と共に公表される今期(2013/3期)の業績予想が注目を集めている。東日本大震災とタイ洪水の影響で利益低迷した前期に対し、復興の今期は大幅増益が見込まれるからだ。

足元3月の米国自動車販売台数は前年同月比13%増。米国の緩やかではあるが景気回復の追い風を受けて、トヨタ車も同15%増と健闘している。日本の部品・素材メーカーへの大きな波及効果も期待できる。これらの自動車およびその関連セクターは、パソコンとテレビの売価下落で苦戦する電機セクターをカバーし、日本企業の業績けん引役となりそうだ。

法人税率の引き下げに伴う前期の税効果要因(繰延税金資産の取り崩しによる純利益の下方修正が続出)の反動も、今期の業績に大きく寄与する。
アナリスト工房では、日経平均株価を構成する225社の今期は純利益40%増を予想する。


上記純利益予想に基づくと、今期予想のPER(株価収益率:純利益に対する株価の倍率で株式の割安度をみる指標)は16倍。前期実績のPER(22倍)から大きく改善しており、欧米主要国の実勢(今期予想PERは10から12倍)と比較した過度の割高感は薄れてきている。
企業公表の業績予想が過度に保守的でなければ、日経平均株価は4-6月には一時10,800円(今期予想のPER18倍相当)まで強含む展開もあり得る。

一方、株式市場のグローバル化が浸透した今、世界時価総額の4分の3を占める欧米市場からの影響には予断を許さない。
欧州は、先週(4月16日)10年物国債利回りが一時6.2%まで上昇したスペインが、次のリスク要因だ。3月にデフォルトしたギリシャと同じく同国では、政府債務の削減のための財政支出のカットが、景気を落ち込ませGDPの大きな減少を招いているからだ(1-3月は前期比▲0.3%、IMFの2012年予想は前年比▲1.8%)。「負の悪循環」から脱却できない限り、ユーロ危機の再燃は時間の問題と言えよう。

米国は、昨年(2011年8月)政府債務残高の上限を引き上げ(14.3兆$→16.4兆$)デフォルトを寸前で回避したばかりだが、今年12月に再び大きな壁に直面する。膨らむ財政赤字を賄うには、新たな上限でも0.5兆$不足する見込みだからだ。債務上限引き上げへの議会の承認が中々得られなければ、昨年に続き「デフォルト騒動」が株式市場への波乱となろう。
10-12月の日経平均株価は、瞬間的には8,400円(今期予想のPER14倍相当)までの急落も想定する。

ただし震災からの復興に伴う業績伸長に支えられ、低迷の続く期間は限られるであろう。アナリスト工房では、今期の期末(2013年3月末)並びに期中平均の日経平均株価は9,900円を予想する。

日本株指数のPERは欧米主要国の上記実勢よりも高水準だが、PBR(株価純資産倍率:純資産額に対する株価の倍率)は約1倍に過ぎない。市場参加者が株主の持ち分である純資産額(大まかな理論株価)を強く意識して株価形成されているため、日本株は外国株と比べて割高ではないことを付け加えておく。

日本企業が利益を計上し純資産を積み上げてゆくことで、株価は緩やかにではあるが着実に切り上がり、我が国の市場は復興してゆくだろう。

2012年4月27日(2012年5月1日修正)