対イラン開戦中止は米軍撤退の前兆

戦争屋Bチームの偽旗作戦にも負けず、トランプ軍事リストラは拡大へ

2019年6月24日(月)アナリスト工房

すぐにバレるウソをつくのは、必ずしもその場しのぎの苦しまぎれの浅知恵とは限らない。原油や為替の市場に大きな影響を及ぼす軍事の世界では、ときには国の政策目標のために、あえて即バレ失敗を目的とした下手なウソをつくケースがあるようです。

6月13日、ホルムズ海峡近くのオマーン湾で2隻のタンカーが攻撃され、うち1隻は日本企業「国華産業」が運行するケミカルタンカーでした。船員たちの証言に基づく同社社長の記者会見によると、飛来物(砲弾)がタンカーに着弾した箇所は水面よりもはるかに上方なので、機雷や魚雷による被害ではない。

にもかかわらず米中央軍は、タンカー攻撃がイランの機雷によるものだと主張。しかし、「イラン革命防衛隊が不発の機雷を除去しようとしている場面だ」として米中央軍が示したのは、粗悪で判別不可能な白黒映像でした。

そこで米国防総省は17日、機雷を除去した直後のイラン革命防衛隊を写した場面だとして、新たにカラー写真を公表。しかしそのピンボケ写真の場面は、肝心な機雷除去の最中ではなく直後とのことなので、タンカー攻撃のイラン犯行説を裏付ける根拠に乏しい。アメリカあるいはその息のかかった現地の輩が企て実行した犯行と推定されます。

イランのザリフ外相によると、日本の安倍首相とイラン最高指導者ハメネイ師との会談時に日本企業のタンカーが攻撃されたのは、日イラン外交を妨害する戦争屋(軍産複合体)のなかのBチームボルトン米大統領補佐官、イスラエルのベンジャミン・ネタニヤフ首相、サウジのビン・サルマン皇太子など)の仕業とのことです(下記)。

「アメリカは、イランに対する疑惑を、事実や状況証拠がまったくないまま唐突にでっち上げた。Bチームが、われわれの外交(安倍首相の重要かつ建設的なイラン訪問を含む)を故意に妨害し、アメリカの対イラン経済テロを覆い隠そうとしているのは、十分に明白だ!」

イランのザリフ外相(Jun 14th 2019)Twitter

日イラン首脳会談がオマーン湾でのタンカー攻撃により妨害されたとき、安倍首相がハメネイ師へ手渡そうとしたトランプ米大統領からの親書は、イランが受領を拒否。米軍の中東駐留を続けさせたい戦争屋のBチームが故意に妨害したのは、安倍氏によるトランプ氏とイラン首脳との対話のきっかけづくりの手柄だったとみてとれます。

また、使用した武器をわざと間違えることにより対イラン工作を即バレ失敗させた担い手は、反トランプ抵抗勢力のフリしてBチームに所属しながら、実は米大統領に協力している可能性が高い。

彼らが安倍首相の面子を潰しながら工作をわざと失敗させた政策目的は、アメリカとの軍事同盟にしがみつく日本を突き放すことにあると見受けられます。その場合には近い将来、Bチームのアメリカ以外の国々(イスラエル、サウジなど)も、日本に続きハシゴを外されるかもしれません。

▼中東への米軍介入の口実をねつ造した、歴史の過ちを正すときはいま

深刻な双子の赤字を減らしたいトランプ大統領は、歴代の米政権がなんと8兆ドルも費やしてきた、中東から米軍を撤退させたい。

連邦政府の債務残高を倍増させたオバマ前政権のときからアメリカは、デフォルト騒動と政府機関閉鎖を繰り返しており、赤字垂れ流しを続けるのが困難となってきました。なおざりにされてきた社会インフラ(道路、ハイウェイ、学校など)の建設予算を捻出するためにも、米軍海外撤退による軍事費削減を急ぐ必要があるのです(下記)。

「米軍の中東への介入は、まるで砂地獄のようなアメリカ史上最悪のひどい決断だった。(歴代の米政権が)これまで中東に約8兆ドルも費やし、米国内の道路・ハイウェイ・学校などをつくる予算を常に不足させてきたのは、馬鹿げた悪い政治判断だ!」

イラクが世界貿易センタービルを崩壊させたのではない。ビル崩壊の犯人は、イラクではなく他国の連中だ!その連中が誰だかは、たぶんあなた(記者)と同様に私も知っていると思う」

トランプ米大統領(Jun 16th 2019) ABCニュースのインタビュー

最大の注目点は、ロシア疑惑を晴らし抵抗勢力追討を本格化しはじめたトランプ大統領が、米軍の中東関与を強める口実となった"911テロ事件(2001)"の真相を語りはじめたこと。01年9月、NYの世界貿易センタービルの南棟と北棟へ旅客機が相次ぎ突入した直後、両棟が爆発・炎上のうえ瞬く間に崩れ落ち3千人が亡くなりました。

超高層の貿易センタービルに突っ込んだ旅客機の燃料は、暖房用の灯油とほぼ同じ成分にすぎないため、センタービルの頑丈な鉄筋を短時間で完全に溶かすのはもちろん不可能。速やかに鉄筋を溶かしビル全体を真下に崩すためには、ビルの各所に超高温で爆発・炎上させるための爆薬(例えばスーツケース型の超小型核兵器)を仕掛け、それらを正しい順序で爆発させる必要があります。

本来であれば即バレ失敗のウソだったはずが、911偽旗テロ事件の当時は「小型操縦免許を取得したイスラム過激派のメンバーが航空機を乗っ取りビルに突入した」とのフェイクニュース(主要メディア報道)を疑う者がほとんどいなかったのです。

そもそも、ハイスピードの航空機をビルへ正確に突入させるのは、小型免許取り立ての初心者には無理難題なので、オートパイロット(自動操縦装置)を悪用した遠隔操作によるものと推定されます。

イスラム教の国々のなかでも何の根拠もなく過激派メンバーの巣窟とみなされたスンニ派が主流だったイラクは、米軍の攻撃を受けて国土がすっかり荒廃するとともに、国家主権が奪われ大統領だったサダム・フセイン氏(1937−2006)が新たに樹立された親米政権により死刑執行されました。

それでもなおアメリカにとって中東は、歴代米政権が社会インフラ建設を犠牲にしながら8兆ドル(いまの米連邦政府の債務残高の36%を占める)も費やしてきたのに、見返りがほとんどないのが実態です。

そんな財政無駄遣いの歴史を終わらせるために米軍を現地から撤退させたいトランプ大統領は、悪い歴史のきっかけとなった911偽旗テロ事件の真相を示唆しはじめたと見受けられます。反トランプ抵抗勢力追討に伴い、一連の機密情報開示はいよいよ本格化していくでしょう。

▼開戦中止の背景には、米ステルス技術を破ったイランの高い戦闘力

アメリカが米軍の海外撤退を実現するためには、現地で新たな戦争を開戦しないだけでは不十分。敵に追撃されないよう、好戦的姿勢を崩さずに退くのが兵法の鉄則です。

6月20日未明、米海軍の無人偵察機MQ−4Cが、イラン南部を領空侵犯したとみなされ警告を受けた後、イラン革命防衛隊の中距離地対空ミサイルKhordad 3に撃墜されました。この130百万ドルもかかったアメリカの無人機(ドローン)は、レーダーに捕捉されないはずのステルスモードで飛行中にもかかわらず、イラン国産の防空システムに捉えられ撃ち落とされたのです。

このとき注目されたのは、撃墜された米無人機と一緒に35人を乗せて飛んでいた有人偵察機P−8を、イラン革命防衛隊が見逃してやったこと。結果、トランプのアメリカは好戦的姿勢を崩さないまま、対イラン開戦とそれに続く可能性が高い第3次世界大戦を未然に防ぐことができました。

20日夜、ホワイトハウスは無人機を撃墜したイランへの報復攻撃を、開始予定の10分前に中止決定。第3次世界大戦につながる可能性の高い米イラン戦争を最終決定直前に阻止したのは、150名の戦死者予想を示しながら「開戦に踏み切った場合には戦争が長引き泥沼化する」との将軍の進言でした。

イランの戦闘能力が想定外に高いことを痛感したはずの彼は、有人偵察機の35人を撃たずに見逃してくれた借りを返す形で、イランとの開戦を避けたかったと推察されます。

「(先日、イランに無人偵察機を打ち落とされた)アメリカは昨夜、イランの軍事施設3カ所へ報復攻撃するための準備を完了した。どれだけの死人が出るかを私が質問したとき、将軍からの回答は.『大統領、150人であります!』とのこと。無人機撃墜に対する報復としては不相応なので、攻撃は開始予定の10分前に私が中止させた」

トランプ米大統領(Jun 21th 2019)Twitter

また、中東から米軍撤退の政策目的のために米イラン戦争をはじめたくないトランプ大統領は、将軍の開戦反対意見を採用しイランの軍事施設への空爆を見送り、防空システムへのサイバー攻撃に切り替えました。

アメリカが攻撃姿勢を保ったまま対イラン戦争開戦を中止したことは、戦地から撤退するときの兵法の鉄則どおりですね。米軍がイラン防空システムを一時的にダウンさせたのを機に、トランプ大統領が勝利宣言のうえ、イランとの緊張が後退に向かう可能性が高い。19年1月から進めてきた米軍中東撤退は、トランプ氏の狙いどおり再開し本格化していくでしょう。

▼米朝合意への環境が整った。戦争屋を突き放し、世界から去るアメリカ

最後に、東アジアで米軍撤退への動きが一気に活性化するかもしれません。6月に北朝鮮の金委員長と「素晴らしい内容」の親書を交わしたトランプ大統領は、金氏からメッセージを託された中国の習国家主席とG20大阪(28−29日)の場で会談のうえ、韓国での米韓首脳会談(29−30日)に臨む予定。

トランプ氏からの親書の提案内容に金委員長が前向きなことと、朝鮮半島の平和に向けた習氏の積極関与を金氏が同意済みであることから、まもなく半島非核化の米朝合意への道筋がみえてくる可能性が高い。

朝鮮半島全体の非核化のためには核を保有する在韓米軍は、もちろん撤退する必要があります。朝鮮半島の有事に備える役割も担う在日米軍も同様。しがみつく各地の戦争屋を突き放し、アメリカは世界から去ってゆくでしょう。

なお韓国での米韓首脳会談に向けて、北朝鮮との国境にあるDMZ(非武装地帯)へのトランプ訪問が最終調整中(24日現在)。DMZには、1953年に米中朝が朝鮮戦争(1950−)の休戦協定を結んだ板門店があります。トランプ米大統領のDMZ訪問が実現し、かつ現地に中朝の首脳が居合わせた場合には、終戦協定が結ばれ朝鮮半島の平和に向けた機運が一気に熟すかもしれません。

アナリスト工房 2019年6月24日(月)記事