演出の舞台裏 米雇用統計とオミクロン
季節要因が強引に抑えた雇用者数は、失業率と不整合。即バレ失敗
2021年12月6日(月)アナリスト工房
先週金曜公表された11月の米雇用統計は、失業率が4.2%(大方の市場予想が4.5%、前の月が4.6%)と20年2月以来の水準まで著しく改善した。一方、最も注目される非農業部門雇用者数が、前月比わずか21万人増と市場予想(55万人の大幅増)をはるかに下回り、アメリカの雇用伸び悩みを示唆。互いに矛盾する統計結果が発表された直後の市場は、一時混乱し方向感を失い、相場が非常に不安定だった。
しかし幸い、非農業部門雇用者数の統計結果が不適切な季節調整による大きな過ちであることをズバリ指摘したゼロヘッジ誌の記事は、ずいぶん速やかに市場参加者へ行き渡った(The Reason Behind Today's Massive Payrolls Miss: A Huge Seasonal Adjustment Flaw)。
公表される季節調整後の非農業部門雇用者数は、その季節調整前の値から季節要因を控除し計算される。11月の米雇用統計に用いられた季節要因56.8万人は、過去10年間の11月の平均27.7万人および最大値38.9万人を著しく上回ることから、やはり不自然極まりない値と見受けられる。
オルトメディアのゼロヘッジ誌の鋭い指摘(上記)を踏まえ、アメリカの雇用伸び悩みでなく失業率改善こそが真の実態だと確信した大勢の市場参加者たちは、当日の午前中にたちまち方向感をしっかり取り戻した。
過度のインフレが経済長期低迷を招く懸念を示唆する米国債のイールドカーブ・フラット化(期間別利回り曲線の平坦化:図表)が引き続き進行していることからも、米連銀FRBが3月までにテーパリング(量的緩和の段階的縮小・終了)を完了のうえ引き締めを急がなければならない状況は、いまも継続中。
米財務省公表データに基づき作成
▼軽症以下のオミクロン株の騒動演出は、不要なワクチンの強引な販促
世界でいちばん注目される米雇用統計の最重要指標(非農業部門雇用者数)が不自然に落ち込んだ舞台裏は、トランプ45代大統領によると、新型コロナのワクチンを受け入れさせるためのバイデン政権の悪だくみ(下記)。
南アフリカ発の新たなコロナ変異種「オミクロン株」が世界へ広まり始めたのを口実に、彼らが統計でアメリカの雇用落ち込みを演出のうえ、人々に「雇用を回復させるためにワクチン接種を受け続けよ」と強く促そうたってけっして上手くいかない!
「アメリカの雇用者数は、エコノミストたちのとても保守的な予想(11月は前月比55万人増)を34万人も下回り、落ち込んでしまった。その珍事は、ジョー・バイデンの虎の巻にある”ワクチンを受け入れさせる”ための悪だくみの一環だ。しかし、誰もこんなバイデン政権を信頼していない」
トランプ45代大統領(Dec 3rd 2021)Gab
軽症(疲労、少々の頭痛・吐き気、身体の痛み、喉のかゆみ など)あるいは無症状の患者しか見当たらないオミクロン株は、変わり身のはやい新型コロナウィルスが変異を重ねすっかり弱毒化した状態と見受けられる。
人間などに寄生しなければ生きていけないウィルスは、種族保存本能に基づき感染力を保ちながら宿主に与える命の危険が軽くなるよう、致死率がより低いウィルスへ次々と変異を続けてゆく。いまだ重症化した事例が見当たらないオミクロン株のコロナは、普通の風邪やインフルエンザと同様に、すでに人間が共生可能なウィルスと化した可能性が濃厚。ならば、人間が生まれつきもつ「自然免疫」の力で、その新たな共生相手に対処していくのが基本である。
風邪のワクチンが存在せず、インフルエンザのワクチンが罹患率を高めるものしかないのと同じ理由(ワクチンがつくる抗体は変異後のウィルスに対応不可能)により、新型コロナに有効なワクチンはほぼあり得ない。その実態に気づいたアメリカの多くのワクチン未接種者たちは、今後も接種を断固拒否し続けるだろう。そもそも、軽症あるいは無症状のオミクロン株は、ワクチンの必要性がほとんどないはずだ。
来春以降の量的緩和なしでのアメリカ経済は、多くの人々にとって就労の妨げとなっている理不尽なワクチン接種義務を撤廃しない限り、労働力不足が深刻化し失速する危険が高い。
アナリスト工房 2021年12月6日(月)記事